システマチック?ランダム?それともプチラーニング?学びのスタイル

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学ぶことが大好き。

子どもの頃からいつも何かしら学んでいましたし、今もほぼ毎日学んでいます。とはいっても、子どもの頃は自分が学ぶのが好きだとは認識していませんでした。宿題は面倒でしたし、テストは嫌いでしたし、学校の授業も面白いと感じられるものは少なく、「勉強しなければならないからしているんだ」「しないと叱られるからしているんだ」と思っていたものです。

学ぶことが好きだとはっきり意識したのはいつだったか、はっきり覚えていませんが、学びなさいと誰にも言われなくなってからは学ぶことが楽し過ぎて、何か学べることないかなあ、次は何を学ぼうかなあといつも考えています。義務ではないので、何をどう学ぼうと自由。だから楽しいんですね。

学びにはいろんなスタイルがありますが、大きくわけると、システマチックな学びとランダムな学びの二つのスタイルがあるのではないでしょうか。

システマチックな学びとは、特定の分野について基礎から発展へと順を追って総合的に学ぶこと。つまり、カリキュラムに沿って学ぶことですね。それに対して、ランダムな学びは自分の興味に応じて好きなところから好きなように好きな分だけ学ぶことだと定義しましょう。

多くの人が「自分は勉強が嫌い」と言いますが、大抵の場合、嫌いというのはシステマチックな学びのことを指しているのだと思うんです。お茶を飲みながらのんびりと興味のある分野の本を読んだり、趣味の習い事に出かけたり、詳しい人から話を聞くのが嫌いという人はあまりいないんじゃないかな。それらも全て学びだけれど、興味のあることだから辛くはないですよね。でも、システマチックな学びにおいてはカリキュラムに自分に興味のない内容が含まれていたり、課題が難しくて嫌になったり、試験に追われたり、思わしくない結果を目にして落ち込んだりと、いつも楽しいわけではない。だから、システマチックな学びは嫌われがちなのだと思う。「役に立たない」「無駄」と評されることも多いですね。

でも、役に立たないなんてことはないと思うんです。私はシステマチックな学びもランダムな学びも両方好きです。そして、両方のスタイルを組み合わせることで学びがさらに充実すると感じます

システマチックな学びには例えばこんなメリットがあるのではないでしょうか。

  • カリキュラムが決まっているので、その通りにやれば効率良く満遍なくその分野の基礎を身につけることができる

分野にもよりますが、昔からある学問のほとんどは長い年月をかけて体系が確立されているので、それに沿って学ぶ方がやみくもに学ぼうとするよりも効率が良いと思います。基礎からしっかりやろうとするとどうしても時間がかかるけれど、急がば回れで結果的には近道なのじゃないかな。特に語学のようにどこからでも手をつけられ、なおかつエンドレスな分野は、多少面倒に思えてもオーソドックスなやり方が確実だと私は感じます。

  • システマチックに学ぶことで、自分が何をわかって何がわかっていないかを整理しやすい。途中でわからなくなったらいつでも基本に戻ることができる。

ランダムな学びだと、わかっていなくてもわかったような気になることが多いですね。難しいところや面倒なところは無意識に飛ばすので、どうしても穴だらけの知識になります。自分が知り得たことが全体のどの部分で、どのあたりのレベルなのかがわかりにくい。押さえるべきところをきちんと押さえていないので先にうまく進めないということになったりします。

  • 一度一つの分野をシステマチックに学ぶと、新たに別の分野を学ぶとき、学びやすい

分野が異なっても学問体系には共通部分が多いです。一度学び方が身につくと他の分野へも応用できるので学ぶのが楽になると思います。

  • システマチックな学びをすることで、ランダムな学びがより面白くなる

システマチックな学びをしているからといってランダムな学びをしてはいけないわけではないですね。というより、人は誰でも何かしらランダムな学びはしているもので、システマチックな学びがランダムな学びを助け、より深いところへと導いてくれるでしょう。

  • 学んだということを第三者に証明してもらえる

どこかの教育機関のカリキュラムに沿って学べば、終了時にそれを証明してもらえます。必ずしも必要ないかもしれませんんが、あれば便利です。

 

以上のような理由で、システマチックな学びには大いに価値があると思っているのです。(大学不要論もよく聞きますが、人生設計において大学で学ぶことは必ずしも必要ないという文脈では賛成するものの、学問自体の否定には賛成しません)

私は中年になってから理系の学問に興味が出て学ぶようになったのですが、その道筋はこれまでのところ「システマチック→ランダム→システマチック」というものでした。一番最初は基礎力にさっぱり自信がなかったので、まずは中学理科のおさらいから始めました。中学校3年分の理科の内容を参考書を使ってシステマチックに学んだ後は、一般向けのやさしい科学読み物を興味の向くままランダムに読むようになりました。中学理科という基礎を固めた上でのランダムな学びだったので楽しかったのですが、数年続けたらまたシステマチックに学びたくなって来ました。ランダムな独学だと、つい苦手な数式を避けたり、内容的にあまり面白くない部分は真剣に読まなかったりするので、たくさん読んでいる割にはたいして理解していないと感じるようになったのです。基礎が足りていなかったのですね。それで通信制の大学で基礎から自然科学を学びました。(詳しくは、こちらに書いています)

大変なこともありましたが、システマチックに学んでよかったです。しかし、難点もやはりありました。それは、やはり時間を取られること。私の場合、大学の勉強はかなりマイペースで進めることができたのですが(だから卒業まで10年もかかった!)、それでもある程度は課題提出や試験のスケジュールに縛られました。大学の勉強はとても興味深く楽しいものでしたが、履修していた自然科学以外にも興味のあることはたくさんあって、あれも学びたい、これも学びたいという気持ちが常にありました。でも、時間がなくて他のことまでなかなか手が回らなかった。

去年の秋に大学を卒業し、大学の勉強にあてていた時間がそのまま空いたので、今まで興味はあったけど学ぶ時間がなかったいろいろなことを手当たり次第学べるようになって嬉しいです。そんなわけで、現在はまたランダムな学びの期間。しばらくはあまり目標のようなものは定めずに、自分自身の興味に流されて、どこへ辿り着くのかを見てみたいという気分です。これがとても楽しい!面白そうなテーマの本を読んだり、旅先でいろんなものを見たり、ネットでドキュメンタリーや講義ビデオを見たり。いろんな人と会う時間も多く持てるようになりました。システマチックに学んである程度の基盤を得た後なので、より楽しめるようになったという実感があるのも嬉しいです。

でも、ランダムな学びをしばらく続けたら、またシステマチックに学びたくなるのかな、、、、。それは時が来ればわかるでしょう。

そんなわけで、システマチックな学びもランダムな学びもどちらも良いし、組み合わせるとさらに楽しいです。自分の学びスタイルはこれ!と必ずしも決めなくても、人生のフェーズやその他の状況に合わせて学び方を変えると良いのではないでしょうか。

それから、最近新たにもう一つ、学びスタイルを思いつきました。

それは1日5分プロジェクト。気になる分野について1日5分だけ時間を割くというもの。

私はポツダムという町の近くに住んでいるのですが、ポツダムという町は宮殿群と公園群がユネスコ文化遺産に登録されているとても美しい町で、建築物の豊かさは他に類を見ないほどです。町に出るたびに建物を見て「すごいなあ」「綺麗だなあ」と感嘆し、建築について知りたいと前々からずっと思っていました。でも、建築は歴史と深く結びついているので奥があまりに深そうで、とてもじゃないけれどハマっている時間はないよ、、、、と、今まで考えないようにしていたのですが、ふと「じっくり学ぶ時間がないなら、浅ーく学ぶのでもいいんじゃない?」と思いついたのです。

町にはちょくちょく行くので、その度に気になる建物の写真を撮ってストックしておき、1日に1枚づつSNSにアップすることにしました。朝起きて、ストックの中から建物の写真を1枚選びます。選んだ写真について、何か情報がないかネット検索、または手持ちの資料を覗いて探します。この時に重要なのは「ライトサーチにとどめる」こと。深く調べ出したらキリがないので、パッと見て何か見つかればよし。見つからなかったらそれ以上探さない。写真を選んでアップするまでの時間を5分以内にします。情報があれば短いコメントをつけ、なかったら画像だけでアップ。名付けてプチラーニング・プロジェクト。Twitterで #ポツダム散策 のタグで毎朝(ドイツ時間、私が起きたときね)にアップしているので、よかったら見てみてください。

こんな単純な作業ですが、1年続ければ365の建物の写真を扱うわけなので、そこから何か見えて来るものがあるかもしれない。ポツダムの建築にちょっとは詳しくなっているかも。隙間時間をうまく使うことで別のかたちの学びを実現できるのではないかと楽しみです。どうなるかな、、、。

学ぶことは楽しいですよ!