超文系から理系になる これまで辿ってきた道 その5

on

基本的な科学リテラシーくらいは身につけたいと思い、中学理科をやり直した私。(その話はこちら

基礎の基礎は押さえたかなという感触を得た後は、一般向け科学書の乱読を始めました。嬉しいことに、日本には専門知識のない読者のためにわかりやすく書かれた学術書・解説書に溢れています。特に、手頃な値段でコンパクトなフォーマットの新書シリーズは素晴らしい!これはいくら強調しても仕切れない日本の出版の美点だと私は思っています。ドイツにも質の高いテレビやラジオの教養番組や子ども向け学習書を中心に優良なメディアが多いのですが、なぜか大人向けのわかりやすい学術書はあまり見当たりません。ジュニア向けの書籍の次はいきなり専門書に飛んでしまい、予備知識がない状態で読むにはなかなかハードルが高い。

科学系の新書といえば、講談社のブルーバックスシリーズがメジャーですが、これは凄いです。次々と新刊が出るので読むものがなくなることがなく、一冊千円もせずに為になる情報が得られる!超お得ではないですか?こんな素晴らしい科学書シリーズは、他の国では見たことがないですよ。

ブルーバックスシリーズはたくさん読んでいますが、わかりやすくて面白かったものは、たとえば、イオンが好きになる本 もう化学は、つらくない!進化から見た病気 「ダーウィン医学」のすすめなど。

 

ブルーバックスの他にも科学系の新書シリーズにはサイエンス・アイ新書サイエンス・ワールド新書などがありますが、科学に特化していないいろいろな新書や文庫シリーズからも面白い科学書がたくさん出ています。

私のイチオシは、佐藤勝彦氏の最新宇宙論と天文学を楽しむ本


宇宙理論なんて、難しすぎてとてもとても自分にはわかるはずないわ!と思う人が多いかもしれません。私もそうでした。ところが、この本は平易なことばで丁寧にわかりやすく書かれていて、とても面白かったです。私はこの本をきっかけにすっかり佐藤勝彦氏の著書にハマってしまい、片っぱしから読みましたが、どれを読んでもワクワク興奮もの。同氏の著書でもう少し難易度の低い読み物としては、眠れなくなる宇宙のはなしも超おすすめです。

 

最近読んだものの中では、石井哲也氏のヒトの遺伝子改変はどこまで許されるのかも大変、興味深かったです。

 

上記に挙げたものは科学読み物ですが、科学の特定分野を全体的にざっくりと理解したいときには、日本文芸社の「面白いほどよくわかる!」やナツメ社の「図解雑学」シリーズなどを読んでいました。また、科学論では、「ヤバンな科学」など池内了氏の著書が非常に興味深く、考えさせられます。

 

そして日本ではなんといってもマンガがすごいですねー。子どもの頃、「ひみつシリーズ」をよく読んだものですが、大人になってから発見した「アトム博士の〜」シリーズも素晴らしい!!

 

また、日本人著者のものではありませんが、V.S.ラマチャンドラン氏の脳のなかの幽霊シリーズやオリバー・サックス氏の音楽嗜好症などは、あまりにも不思議な世界の話ですっかり魅了されました。私はサックス氏の大ファンになったので、亡くなられたときには悲しかったなあ。

 

そんなわけで、日本に滞在中は豊富な一般向け科学書を読み漁っていました。そのうちドイツに戻ることになったのですが、電子書籍が普及するまでは日本から書籍を取り寄せるのが大変でした。先に書きましたように、ドイツでは残念ながら大人向けのやさしい科学書はあまりありません。その代わり、ジュニア向けのものには良いものが多いです。また、テレビやラジオの科学番組がとても充実しているので、今度はドイツ語のメディアを通して科学情報を得るようになりました

(ドイツ語の科学系メディアにご興味のある方は、以下の別記事をお読みください)

ドイツの子ども向け教養メディアが面白い!
ドイツのマスメディアの豊富な科学番組

さらに、英語圏には子どものものから大人のものまで、また、やさしいものからハイレベルのものまで、ありとあらゆる書籍やその他のメディアが揃っています。そして、英語版のペーパーバックや電子本はドイツ語のものよりもかなり安い場合が多く、簡単に取り寄せられるので、英語のポピュラーサイエンス本もたくさん読むようになりました。(良書がたくさんありますが、別の機会にご紹介します)

 

科学の読み物や番組を楽しめるようになったことで、世界がとても広がった!という感覚があり、若い頃には全く関心のなかった分野に興味が持てるようになってよかったと実感しました。少しづつ、知識が増え、理解できることが多くなっている気もしました。

でも、、、、そんな状態が数年続くと、なにか物足りなさも感じるようになったのです。

物足りないのは科学メディアに対してではなく、自分自身に。いろいろ読んで「わかったつもり」になっているけれど、実際にはどこまでわかっているのだろう?

というのは、一般向けの本を読むことを通して科学について学ぶことは確かにできるのですが、どうも「わかりたい部分だけわかって満足している」ように思えて来たのです。読んでいてよくわからないところ、あまり面白く感じない部分はスルーしてしまうのですね。特に、数式や化学式にはアレルギーがあるので、出てきても飛ばすか、もしくは「数式なしでわかる◯◯」のような本を読むなど、つい、安易な方に逃げてしまいます。

こういうつまみ食い状態って、どうなのかな?もっと系統立てて学びたいような気がする、、、、。いつか、そんな気持ちが湧いてきました。(続く)