超文系から理系になる これまで辿ってきた道 その3

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科学って、意外と面白いのかもしれないと漠然と思うようにはなったものの、何をどう知ればいいのかわからない日々が続きました。幼児二人の世話や仕事で忙しかったこともありますが、自分は科学オンチというセルフイメージに相変わらず縛られていたのもあります。

そこで私の手を引いてくれたのは、再び息子でした。

私たち家族は、夫の転勤で一時期、埼玉県に住むことになったのですが、涼しいドイツから暖かい埼玉への移動は息子の関心に大きな変化をもたらしました。地元の小学校に入学し、日本人の子ども達と遊ぶようになった息子は、あれよあれよという間に昆虫少年になったのです。

ドイツにも、もちろん昆虫はいますが、日本よりも種類が少ないせいか、その他の理由もあるのか、ドイツの子どもはほとんど虫捕りをしません。日本へ引っ越し、西埼玉の草むらや林を虫網と虫かごを持って走り回るようになった息子は、虫の話ばかりするように。私ははっきり言って虫など大嫌いだったのですが、楽しそうに語る息子の話を聞いているうちに、「へーえ、そうなんだ!」と面白く感じ始め、自分でも図書館から昆虫に関する本などを借りて来てせっせと読むようになりました

その頃見つけて特に気に入ったものに、今森光彦氏の「やあ!出会えたね」シリーズがあります。

この写真集の中の一枚、ダンゴムシの顔を正面から写したユーモラスな写真にびっくり。それまで気持ち悪い、おぞましい存在でしかなかったダンゴムシが急に違った存在に見えましたよ。

埼玉県にある国営武蔵丘陵森林公園という公園では定期的に昆虫観察会を催していたので、子ども達とよく参加しました。NIKONの野外用顕微鏡、ネイチャースコープ ファーブルミニを買ったのもこの頃。

 

子どものオモチャにするには高価なものですが、プレパラートを作らずに身近なものを何でも拡大して見られるので、この顕微鏡は大活躍でした。

 

息子の付き合いの昆虫観察から始まった私の自然への興味は、その後しだいにその他の分野へと広がって行きました。

小学館や学研の図鑑をせっせと買い込んで、子ども達と眺めたり、子どもの実験の本に載っている簡単な実験を片っぱしからやるように。ミョウバンの結晶を作り、それで小枝を飾ってキラキラした置きものにしたり、牛乳とレモン汁でチーズを作ったり、一通りやりました。いやー、これは楽しかったです。子ども達も喜びましたが、実は一番楽しんでいたのは自分かもしれません。私は子どもの頃、本ばかり読んで、実験はほとんど何もしたことがなかったのです。ですから、子どもをダシにして、自分がやり損なったことをやり直している感じ。

実家の北海道に帰省したときに道内を車で回っていろいろな色の土を集め、ロウで固めてクレヨンを作ったのも楽しい思い出。また、その頃、友人に石鹸を手作りする方法を教えてもらい、これにもハマりました。石鹸作りって、鹸化率を計算したり、保護メガネやゴム手袋をはめて作業したりで、いかにも「化学実験」っぽいんです

 

作った石鹸コレクション。失敗作も混じってます

 

もう楽しくてたまりません。でも、この頃の私はあくまでレシピ通りに「科学の実験ごっこ」をして遊んでいたに過ぎず、その背景にある科学をよく理解していたわけではありませんでした。(続く)