東ドイツが舞台のスパイ映画、”Helden wie wir”と原作が面白い

ベルリンを舞台にした小説や映画、また、旧東ドイツ(DDR)をテーマにした小説や映画が好きです。

 

東ベルリン生まれの作家、トーマス・ブルスィヒ(Thomas Brussig)が1995年に発表した“Helden wie wir”(僕ら英雄たち)を読みました。ブルスィヒはユーモラスな文体で旧東ドイツを風刺するのが作風の作家で、代表作の”Am kürzeren Ende der Sonnernallee”(太陽通り – ゾンネンアレー)は日本語にも翻訳され、また映画化(”Sonnenalee”)されています。”Helden wie wir”の方は日本語訳は出ていませんが、こちらも映画化されています。

 

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主人公、Klaus Uhltzschtは東ドイツの秘密警察・諜報機関、シュタージのスパイ。

 

ベルリンのシュタージ博物館で撮った写真です

 

 

本の表紙がスパイ小説らしくありませんが、これにはわけがあります。Klausは頭は良いのですが、身体的に大きなコンプレックスを抱えています。そのコンプレックスとはすなわち「短小」なこと。

母親は潔癖で過保護、父親は息子への愛情をストレートに示さず不機嫌で近寄りがたい。そんな両親を持ったKlausの抑圧されたセクシュアリティを中心に物語は進んで行きます。

表面的にはコメディなのですが、プラハの春が起きた1968年のKlausの誕生から始まり、1989年のベルリンの壁崩壊で終わるこの小説は、DDRで反体制運動が次第に勢いを増しドイツ統一へと向かっていった時期と一致しており、当時の東ベルリンの様子やシュタージの諜報活動が描かれていて、とても興味深いのです。

 

でも、下ネタ全開なので、下ネタの苦手な人にはちょっと辛いかも・・・・・

 

原作を読んだ後、映画も見てみました。

 

 

原作を読んでから映画を見ると大抵がっかりするものですが、この映画はよかったです!

 

下ネタの方は最低限に抑えられていて(あのまま映画化したら変態的なポルノになってしまっただろうな・・・)、子どもが見ても大丈夫ですし、ストーリーも映画用にうまくアレンジされていると感じました。

ロケ地の多くは東ベルリンなので、ベルリンをよく知る人には見慣れた場所がたくさん出てくるのも楽しいです。

 

ネタバレするとよくないので詳しく書きませんでしたが、ベルリン、DDR、シュタージに興味のある方にかなりオススメです。